羽衣プロジェクトに寄せて 推薦者より


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日本友の会 会長

福原 義春

 パリ日本文化会館は、日仏官民協力して運営しているユニークな施設であり、文化施設の多いパリにおいて、すでに70万人の来館者を迎え、確固たる評価を得ています。
 2007年は、会館設立10周年、2008年は、日仏交流150周年という重要な節目の年に、ジャパン・クールといわれる日本のソフトパワーを発信していくことは意義深い事と存じます。
 伝承文化である日本の民話と最先端のCG技術との融合した日仏共同制作の実験的な舞台は、必ずやパリの皆様の高い評価を得られる事と確信しております。


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日本友の会 顧問

平岩 外四

(2007年5月22日に永眠されました)

 パリ日本文化会館は、設立の時から日仏両国、日欧の相互理解のために現代日本と伝統的文化の両面を紹介し、若い世代との接点を求めていくことをねらいとしています。
 わが国古来の民話や伝説に基づいたこのCG融合舞台「羽衣伝説」は、日本各地で語り継がれている共通の民話を基にしたものであり、これをコンピュータ・グラフィック技術によって一層美しいものに作り上げ、演出していこうとするものです。
 フランスの若い人たちに、この様なかたちで我が国の文化を見てもらい、受け止めてもらうのも有意義だと思います。

羽衣プロジェクトに寄せて 実行委員会より


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実行委員長

福川 伸次

「羽衣プロジェクト」は、日仏交流150周年を記念する第一弾イベントであります。フランス語のアール(art)の語源であるラテン語のアルス(ars)は、本来、芸術と技術の双方を意味したと言われています。両者は近代産業の発達の過程で遊離し、それぞれの途を辿りましたが、最近のITの進歩はそれらを再び融合するように導いているようです。
その代表とも言える日本のアニメーションやCGといったバーチャルコンテンツは、フランスでも大きな関心を集めています。今回のCG融合舞台「羽衣伝説」は、日本に古くからある民話をテーマに、CGという最先端技術とリアルな舞台芸術を融合した新しいジャンルを切り拓くものであります。
「羽衣プロジェクト」では、開館10周年を迎えたパリ日本文化会館で、来年1月、これをテーマにしたシンポジウムと舞台公演をおこない、日仏文化交流の発展の一助にしたいと考えております。

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実行委員代表

杉浦 勉

私の想像する天女は唐詩に歌われている「霓(げい)裳羽衣の舞」を踊る仙女の姿です。時には静かな森の中の池、時には白砂青松の浜辺、美しい景色に誘われて舞い降りる羽衣天女。情景を想像するだけでイメージがふくらむ民話です。この羽衣伝説は「天人女房」や「星女房」あるいは「白鳥女房」の伝説として、日本では北はアイヌから南は沖縄まで、世界でもアラスカから中国を初めとするアジア各地、そして欧州にまで広く伝えられています。その意味で世界の人々が共感できる民話の一つだと思います。能の「羽衣」は舞踏家エレーヌ・ジュグラリス夫人が1940年代半ばに公演に力をそそいで以来フランスで何度となく公演されてきました。その話を契機に日仏の高校生同士で交流が始まったとも聞いています。今回は、その「羽衣伝説」を最先端のCG技術と美しい歌曲、舞台演出を融合させて公演しようというプロジェクトです。きっと新たな羽衣伝説が生まれるにちがいありません。日仏交流150周年を記念する最初の事業として、新たな感動と話題を呼ぶことを願っています。
それにしても羽衣を隠してしまういじわるな男がどうして天女と結ばれるのでしょうか。そこには人類の歴史に共通する時代の大きな変革の謎が隠されているのかもしれません。

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実行委員代表

國信 重幸

地域の中で生まれ、地域の中で語り継がれてきた昔話や伝説は、その地域の特色をよく表しています。
そして、「羽衣」のように日本各地に同じようなものが存在するお話は、まさにわが国の文化そのものであるといっても過言ではありません。しかもこの企画は、日本で生まれたものを映像や舞台を通して世界につなげていこうとするものです。
日仏交流の記念すべき年に、このような催しをパリで開催することができれば、パリ日本文化会館の建設当初から関わってきた者の一人として大変うれしく思います。

羽衣プロジェクトに寄せて 制作スタッフより


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イベント
総合ディレクター

竹治 政枝

思えば「羽衣プロジェクト」の発端は今から約三年半程前、2003年の夏にまで遡ります。「何か福島県民のためになるようなものを残していきたい」という東京電力さんの想いを伺った我々は「民話のフルCGによるアニメーション化」をご提案しました。そして現在144話の民話アニメーションが完成したのです。2005年に福島県内90市町村の民話が完成したことを記念して行った夏休みイベントでのCG融合舞台「羽衣伝説」が今、海を越えフランスに渡ろうとしています。日仏交流が始まって150年目という節目の年に、「羽衣」をテーマにしたシンポジウムや舞台公演といった文化イベントを開催できることは、このプロジェクトに最初から関わり、総合演出を担当してきた私にとっては大きな喜びです。とにかくこれからの日仏文化交流の発展の一助となれるように努力してまいります。

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イベント
総合プロデューサー

須藤 正徳

「羽衣プロジェクト」が始動します。舞台とCG映像を自然な形で融合させる試みは、2年前に福島、そして東京で上演されたCG融合舞台「羽衣伝説」で多くの観客の感動を呼びました。今回は映像も音楽も大幅にグレードアップします。またまた試行錯誤の始まりです。
全スタッフの知恵を極限まで絞り、全く新しいステージへ挑戦していくCG融合舞台「羽衣伝説」は、シンプルで楽しい「想像力の起爆剤」にするべく、素晴らしい舞台へと昇華させていく所存です。
また、「羽衣」を様々な側面から研究するべく「CGと芸術」「情操教育」をテーマとしたシンポジウムを企画しております。
このプロジェクトから新たな「日本発信のスタンダードの舞台」が誕生し、後世に残るように力いっぱい努力してまいります。ご期待下さい。

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CGプロデューサー

稲蔭 正彦

21世紀のグローバル社会において、ローカルアイデンティティとしての文化が注目さ れています。民話は、まさしく地域文化を反映している貴重なコンテンツです。「羽衣伝説」は、福島県の民話ではありますが、日本全国に似た民話が存在しており、さらには海外においても似たストーリーが存在します。したがって、ローカルアイデンティティを持ちつつ、国際的に親しみやすい民話である点が特徴です。また、本ミュージカルでは、日本ブランドとしてのITを取り入れた演出となっている点で、新日本様式としてのユニークな舞台コンテンツであります。本ミュージカルが皆さまの感動を呼び、日本文化に対する理解が深まることを期待します。

 

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